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G.17.3.5 応答時刻歴

STAAD.Proは、時間変動のある強制関数荷重をジョイントに受け、基礎において地動を受ける構造物の応答時刻歴解析を実行する機能を備えています。本解析は、モード重合法を使用して実行されます。そのため、モード形と振動数を容易に決定するために、すべての有効な質量は荷重としてモデル化されます。このトピックの詳細については、「G.17.3.2 質量のモデリング」を参照してください。モード重合解析では、構造物の応答は、"p"最低モードから得られると仮定します。釣合い式は、次のように書かれます。

[m]{x''} + [c]{x'} + [k]{x} = {P(t)}

注記: ダブルプライム記号('')は二次導関数(加速度)を示し、プライム記号(')は一次導関数(速度)を示します。

次の変換を使用します。

{ x } = i = 1 p { ϕ } i q i

{P(t)}の式は、次の形の"p"分離式に低減されます。

q''i + 2 ξiωiq'i + ωi2qi = Ri(t)

意味
ξ
=
モード減衰比
ω
=
ithモードの固有振動数。

これらは、無条件安定な逐次法であるWilsonのθ法により解かれます。応答用の時間ステップは、ユーザーによって入力されるか、入力されない場合はデフォルト値が選ばれます。qiは、式2に代入され、各時間ステップにおける変位{x}が得られます。  

調和地動を受ける構造物の時刻歴解析 

調和荷重は、次の式で記述できる荷重です。

F(t) = F0sin(ωt + ϕ)

意味
F(t)
=
任意の瞬間的な時間"t"での力の値
F0
=
力のピーク値
ω
=
強制関数の振動数
ϕ
=
位相角

調和荷重関数のプロット

結果は、開始時を含めた全時間周期での最大値です。そのため、その結果は定常状態応答と一致しません。

STAAD.Proでの上記の強制関数用入力定義

その定義からわかるように、強制関数は連続関数です。ただし、STAAD.Proでは、1組の離散的な時間-力の組み合わせが強制関数より生成され、解析はこれらの離散的な時間-力の組み合わせを使用して実行されます。その意味することは、荷重用に設定するサイクル数に基づいて、さまざまな時間における力の大きさで構成されるテーブルをSTAAD.Proが生成するということです。時間の値は、この時間'0'からn×tcまでの範囲において、"STEP"で指定されたステップから選ばれます。ここで、nはサイクル数、tcは1サイクルの時間です。STEPは、指定することも、プログラムに組み込まれているデフォルト値を選択することもできます。STAAD.Proは、1/4サイクルが1つ以上のステップに均等に分割されるようにSTEPを調整します。調和地動を受ける構造物の時刻歴解析用に設定の必要な入力パラメータのリストについては、「 TR.31.4 時刻歴荷重の定義」を参照してください。     

STAAD.Pro入力に現れる変数とそれに対応する上記式中の項の関係は、以下に示されます。

  • F0 = 振幅
  • ω = 振動数
  • ϕ = フェーズ

コントロール/依存仕様の場合、依存自由度で加えられる力は無視されます。代わりに、コントロールで適用されます。